業界PRの年に 積極的にネットの活用を (2004年1月18日号)
 ▼一昔前までインターネットは、はるか遠い国の話のように思われていた。われわれの業種とは無縁の世界だと、ほどんどの業界人が考えていただろう。それが今では、工事写真はデジタルカメラで撮影するのが当たり前。パソコンとメールアドレスがないことには、公共工事の入札にも参加できない時代になってきた。総務省の最新の調査によると、インターネット端末を持っている世帯は、国内世帯全体の55%に達している。特にADSL、FTTH(光ファイバー)などブロードバンド回線の最近の伸びはすさまじく、DSLの加入者数は991万人で前年同月のほぼ倍(昨年11月末現在)。FTTHの加入者数は81万人で同4・7倍と急成長を遂げている。接続する回線の種別では、DSL回線がトップで35%、ダイアルアップ24%、ISDN19・6%、CATV13・2%と、すでにブロードバンド接続がダイアルアップを上回っている。つまり、一般家庭でも2世帯に1世帯以上はインターネットに接続し、その多くはADSLなどのブロードバンド常時接続で利用していることになる。
都市部では塗り壁が復活「個性」を求める消費者 (2004年2月18日号)
 ▼「新春に明るいニュースを1つ。東京では、すでにモルタル仕上げがサイディングを上回っている」――日本建築仕上材工業会の懇親会の席上、小俣副会長は『日経ホームビルダー2月号』に掲載された記事を紹介した。それによると、住宅性能保証制度の登録住宅(保証対象になる新築住宅)について、外壁の仕様別にまとめた結果、99年度にモルタルは14・1%であったが、02年度には18・4%と4・3ポイント上昇している。逆に、サイディングは、78%から71・7%へ、6・3ポイントもシェアを落としている。特に、モルタルは東京、神奈川、京都など、都市部で人気が高まっているという。
ISOは時代の要請か 問われる「マネジメント能力」 (2004年3月18日号)
 ▼ISO9000の国別認証取得件数は、2002年から中国がトップに立った。最新のデータでは、次いでイタリア、イギリス、アメリカ、ドイツ、日本の順である。中国の場合、「審査がゆるい」とか、「お金で簡単に買える」といった批判はあるようだが、すでに「世界の工場」になってしまった以上、国際標準規格であるISOの取得がビジネスの上で重要なのは当然だろう。だが、日本の場合は少し事情が違う。日本適合性認定協会(JAB)によると、ISO9001の認証取得者数は、4月1日現在で3万6147組織あり、うち建設関係は実に全体の約4割にあたる1万3974組織が取得している。
ISOは時代の要請か 問われる「マネジメント能力」 (2004年7月18日号)
 ▼ISO9000の国別認証取得件数は、2002年から中国がトップに立った。最新のデータでは、次いでイタリア、イギリス、アメリカ、ドイツ、日本の順である。中国の場合、「審査がゆるい」とか、「お金で簡単に買える」といった批判はあるようだが、すでに「世界の工場」になってしまった以上、国際標準規格であるISOの取得がビジネスの上で重要なのは当然だろう。だが、日本の場合は少し事情が違う。日本適合性認定協会(JAB)によると、ISO9001の認証取得者数は、4月1日現在で3万6147組織あり、うち建設関係は実に全体の約4割にあたる1万3974組織が取得している。
安値受注はなぜ起こる 元下関係の抜本改革を (2004年8月18日号)
 ▼近畿地方建設産業再生協議会がまとめたアンケート調査(民間工事発注業者19社、元請け34社、下請け152社)によると、想定工事価格を下回った場合、元請け業者の65%は「断る」と答えている。反面、「取引関係のある会社であれば受注する」(15%)、「新規取引先でも次が期待できれば受注する」(15%)、「赤字額が一定範囲内なら受注する」(12%)という回答もあり、ほぼ3社に1社は事情次第では赤字受注も辞さないようだ。その赤字分の負担方法は、「自社ですべて負担」(60%)、「下請け会社の選定で補填」(10%)、その他(40%)としている。下請け業者選定の基準は「工事価格の安さ」(91%)が圧倒的で、以下「施工技術の高さ」(56%)、「これまでの取引関係」(47%)、「工事実績」(41%)と続く。
リフォーム市場は横ばい? いかに差別化するか (2004年9月18日号)
 ▼アテネオリンピックで、日本は過去最高の37のメダルを獲得した。このメダルラッシュがGDPの伸び率に好影響を与えるという説がある。ゴールドマン・サックス証券の予測によると、日本がメダルを33個以上獲得すると、GDP成長率はバブル期以来の6・4%以上が期待できるという。「メダル獲得は消費者・企業心理を一段と改善する」との分析だ。にわかに信じがたい話だが、アテネで活躍する日本人選手たちの勇姿が、国民に夢と希望を与えてくれたことは確かだろう。アテネの余波が景気拡大につながり、業界が恩恵に与れれば結構なことではある。
現場で何が起こっているか 専門工事業の深刻な危機 (2004年10月18日号)
 ▼「杭を抜いてみたら、杭といえないものさえある」「もし地震が起こったらどうなるのか…」。建専連の全国大会でのパネルディスカッション(3面)では、現場の実情を知る基礎工事の専門業者から、こんな衝撃的な発言まで飛び出した。工事費が削減される中で、ゼネコンのリストラが進み、現場に配置される人員が減らされる。現場担当者の絶対数が少ない上に、ベテランが姿を消して経験の浅い若手が多く、仕事の段取りも極めて悪い。「いま現場でゼネコンの担当者の指示通りにやったらとんでもないことになる」という話を聞く。施工管理がますます下請け業者に委ねられている。ゼネコンが下請けを信頼して、施工管理を任しているならともかく、実際には手間のかかる施工管理という仕事を、下請けに丸投げしているのが現状だ。その分の経費が上乗せされれば良いが、現実は逆で、工事費は削減される上に仕事の負担だけが増えていく。そのしわ寄せが安全管理や工事品質の低下をもたらしている。
信頼はまず「保証」から アフターサービスで勝負を (2004年11月18日号)
▼昨年度のマスチック各地域単組の長期性能保証実績金額は、過去最高の13億円強となった(2面別項)。それでも同事業を利用しているのは、未だに全組合員の半数にも達していないという。工事金額のわずか1%の負担で、消費者に大きな安心感を与える同事業を利用しないのは、「宝の持ち腐れ」である。最近は電気製品の小売店でも、ちょっと気の利いた店なら、希望によって5年程度の保証が受けられる。ただし、保証料は製品価格の5%ぐらいが別途に必要だ。決して少ない出費ではない。それでも消費者は「安心」が買えるなら、高いとは思わないのである。逆に今では、保証のない商品を売ることはますます難しくなりつつある。改めていま、塗装工事でも、「保証」というものを見直す必要がありそうだ。
定着した「塗装の日」 業界のイメージアップに貢献 (2004年12月18日号)
▼ポンペイの遺跡を掘り出してみたら、街のあちこちに落書きがあった、というのは有名な話である。大昔から落書きは「都市の病い」であった。しかし、この症状を放置しておくと、もっと深刻な病気を引き起こすことが、最近の研究で明らかになってきた。街が荒廃していく初期症状が落書きである。都市の病いも、早期発見・早期治療にこしたことはない。とはいえ、ラッカースプレーでペイントされた落書きを消すのは、やっかいな仕事だ。とても素人の手に負えるものではない。そこで塗装業界への期待が高まってきた。「塗る」技術は「消す」技術にも応用できる。